知っておきたい接客用語
アルバイトを含む、人生での最初の就労経験は接客業だった、という方はとても多いと思います。
この時に、職場の上司に教わるのが「接客用語」だと思います。
正しい接客用語とはどんなものなのでしょう。
文章を書く際にも、無関係とは言えない「接客用語」について学んでみましょう。
誰もが触れている接客用語
私は販売業は経験もないし、これからするつもりもない、だから接客用語に触れたことは無い、とおっしゃる方も、実は接客用語に日常的に触れています。
私たちは誰もが、顧客として接客用語に触れているはずなのです。
日本では、エレベーターや自動販売機までもが、接客用語で人間に語りかけてきます。
ですから、私たちの耳はある程度、接客用語に慣れているのです。
となると、違和感のある表現に気づくこともあります。
言語感覚が短いスパンで変遷している昨今、年配の方や厳しい接客教育を受けた経験のある人は、すぐにこの違和感に反応してしまう可能性があります。
だからこそ、知識として正しい言葉を身につけることが仕事のスキルの一部と言えるのです。
良く使う「~のほう」
丁寧に話そうとして「~のほう」を連発してしまう人を良く見かけます。
「お荷物のほうをお預かりいたします」
「こちらのほうになります」
「お釣りのほうは200円になります」
数限りなく「~のほう」が飛び出します。
ところがこの「~のほう」は殆どの場合、実は必要のない表現なのです。
これは正しい接客用語を教えられなかった多くの接客業の方の初歩的な間違いとして多く遭遇します。
上記の例で言えば
「お荷物をお預かりいたします」
「こちらでございます」
「お釣りは200円でございます」
で良いのです。
「~のほう」とつけると言葉が丁寧になったように錯覚する人がいるようなのですが、日本語としては正しくありません。
「~のほう」を連発すると聞く側にとっては耳障りで気になる表現です。
無意識に言ってしまっている人が殆どなので、是非仲間同士で気をつけてみましょう。
謝罪の言葉
接客業で重要になってくるのが謝罪の言葉です。
どんなに常連で親しいお客様であっても、失礼があった時にはすぐに、正しく謝罪できるかで、その後のお客様の印象は大きく変わってしまいます。
ついつい咄嗟に
「すみません!」
と言ってしまいそうですが、これではかえって失礼にあたります。
大したことではない、と思っていたお客さまも謝罪の言葉と態度が雑であれば余計に気分を害されます。
落ち着いて、ゆっくりとした口調で、きちんと頭を下げて
「大変申し訳ございませんでした」
と心を込めて言いましょう。
謝罪の対応に正しい言葉遣いは不可欠です。
接客用語と文章の関わり
例えば、セールや新商品のご案内を文書で出す場合、それに相応しい言葉遣いが必要になってきます。
この手の文章は書き手と読み手の立場がはっきりしているので余計に正しい言葉遣いが必要になります。
但し、話すのと違ってゆっくり時間をかけて調べながら書くことができるので、似たような案内状を手本にしながら、書いてゆくと良いでしょう。
注意しなければならないのは、特定のお客様に個別に文書を作成する場合です。
場合によっては詫び状を書かなければならないケースがあります。
詫び状は例文通りでは謝意が伝わりにくく、通過儀礼的に文書を寄こした、という悪い印象を持たれがちです。
接客業における謝罪文では、きちんとした書簡文の体裁を取り、正しい敬語を用いて書く必要性があります。
具体的に起きたことの原因を述べ、お客様への心からの謝意を書きます。
再び同じ様なことが起きないことをお約束した上で、今後のお付き合いをお願いもしなければなりません。
1人で書いたとしても、複数の、できれば年配の経験豊富な方に目を通して頂き、気持ちの伝わる失礼のない詫び状になっているか確認してもらいましょう。
世の中にあふれる接客用語は、実は結構間違いだらけです。
接客経験者は、そのような不行き届きな言葉を聞いて、そのお店や会社の品格を量ることがあります。
特に話し言葉は、咄嗟の時にも正しい言葉が出てくる必要がありますから日ごろから言葉遣いに敏感でいるように心がけましょう。
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